25.言葉に問題あるときないとき

 言葉をよくしゃべる人もいますが、口数の少ない人もいますし、言語発達に遅れがある人もいます。しかし、よくしゃべるからだいじょうぶ、わかっているだろうと思うのは早合点で、言うことの意味が本当にわかっているかどうかは別問題です。むしろ、しゃべる人のほうが言葉にとらわれやすく、目で語ったり、さまざまな動作、それに心のふれ合いなどによる非言語性コミュニケーションが育ちにくく、問題がおこりやすくなるおそれがあります。コミュニケーションのなかでも言語性と呼ばれるものはほんの一部ですから、多くの非言語性コミュニケーションが成り立っていないと意思疎通はしにくいのです。

 彼らは自分だけのユニークな世界を持っています。その外の言葉はほとんど入っていきませんから、説明は、その人にとってわかりやすく、簡単な言葉を用いてすることが必要です。長々とした説明は誤って受けとられます。議論をしたら泥沼に入るおそれがありますから、避けたほうがいいようです。説明よりも「これがルール」とか「話はおしまい」などとはっきり言ったほうが納得しやすいことも多いようです。家庭内のルールでは、一方的に伝えるよりも、一緒に考えて作ったほうが守りやすいかもしれません。

 言葉の発音がうまくできない子もいますが、その場合は言語聴覚士による指導が必要になります。発音は口の筋肉の低緊張と関係していますが、全身の状態に関係するとは限りませんので、運動能力が高くても発音がよくない子もいます。

 遺伝子型の違いからみると、UPD型の人は欠失型の人と比べて会話力があるようですが、UPD型の人たちも、現実を正しくつかんで状況を見通したり、ほか人の心を読むことは得意ではありませんので、欠失型の人たちと同じような状態なのです。それを理解してかかわる必要があります。

(文責 長谷川知子 … 自身の経験や医学文献、親ごさんたちからの情報、それにPWSA-USAのMedical Alert を参考にしています)