14.睡眠を気持よく安全にするために
PWSの人の多くは、大人でもパタンと寝入ってしまうようです。だからといってそれが問題につながるわけではありません。床に入るとすぐに寝入ってしまうけど眠りは浅くて、夜中に一緒に寝ている幼い子の世話が無理なくできる、という人までいますから、かえって役に立つ特性にもなります。
でも、なかには、日中も、どこでもすぐ寝入ってしまうという睡眠パターンの問題をもっている人もいます。
その原因が、夜間の無呼吸による不眠であれば、放置するのは危険です。睡眠時無呼吸になるのは呼吸中枢の問題か、低緊張が強いためか、太りすぎか、心血管障害か、扁桃腺やアデノイドのためかなど、考えて調べる必要があります。扁桃腺やアデノイドが問題かどうか耳鼻科で診察を受け、それが原因であれば手術が必要になります。扁桃腺の手術は難しくありませんが、術後に呼吸が停止することもあるので、注意が必要です。日本では術後すぐに退院させることはないでしょうが、手術日の夜など、病棟での管理に注意することでリスクは避けられます。
呼吸中枢がうまく働かないため重度の夜間睡眠時呼吸障害があれば、酸素や人工呼吸器をつかうことも考える必要があります。 しかし、どんな治療がなされても、規則正しい生活、適度な運動、まわりの理解、メリハリがあってがんばりすぎない生活は基本となります。
睡眠には、毎日の運動や規則正しい生活も必要です。そのためには日課表をつくるといいでしょう。大半のPWSの人は目で見たほうが理解しやすいのです。年長の子や大人では自主的に管理させ、親は口をださずに様子を見るだけにすると自信もついてくるでしょう。
食事の間に寝てしまう人もいますが、それは肥満の原因にもなりますし、歯磨きをおこたって虫歯になるおそれもあります。そういう場合、夕食は少なめにして、食後に、少しでも動くようにしむける必要があります。
お風呂のなかで寝る人もいますが、それはとても危険です。ひとりで入るときは、湯の量を少なめにして、ときどき様子を見るようにしてください。お風呂で寝ているのでしたら、寝不足になっていないか、心身共に疲れすぎていないか、がんばりすぎていないかなど、生活を見直してみる必要があります。
(文責 長谷川知子 … 自身の経験や医学文献、親ごさんたちからの情報、それにPWSA-USAのMedical Alert を参考にしています)
