22.知能は期待の材料にはならない
PWSの人では、IQで測れる知能(学習能力)は正常(下限)から中等度障害がほとんどですが、知能が高くても、理解力やコミュニケーション力は弱く、情緒や行動抑制力などの発達が未熟で、ソーシャルスキルが弱いので、そのギャップに本人はつらい思いをしています。まあ大丈夫だろうと放っておいてはなりません。知能が高いと得られる情報も多いため、問題が深刻になることもあります。PWSの人たちは、聞いた情報を解釈して判断するとき、正しい解釈や理解からかけ離れていることも多いのです。もし、自分なりに理解したことを間違っていると否定されると、混乱して不安に襲われたり、プライドが傷ついたりするので、そんなはずはないと頑強に抵抗します。ですから、最初から間違いを指摘するのは適切な対応とはいえません。また、正しくない解釈や理解をもとにした議論をいくら続けても収拾がつかず泥沼になることもあります。議論するのは避けて、こだわった考えから離れるくふうをしたほうがいいでしょう。
彼らの理解したことが「彼らにとっての事実なのだ」ということをわかってあげること、また、重要なことは前もって、わかりやすく、理解度を上げるために図や表で示すなりして伝えておくことが必要となります。彼らを責めてよい結果は得られません。
このような子は、PWSでなくてもかなりいそうですね。教育の面でも、彼ら一人ひとりの苦手なところを充分理解し、共感することで得た信頼関係が、指導の成果を左右します。
(文責 長谷川知子 … 自身の経験や医学文献、親ごさんたちからの情報、それにPWSA-USAのMedical Alert を参考にしています)
